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アコースティックギター(アコギ)のナット幅。ネックが細い、太いとどうなる?

クラシックギターとアコギの5つの違いとは?でも少し書かせていただいたのですが、今回はアコースティックギター(以下、アコギとも表記します)のナット幅について、

1)一般的なナット幅はどの位なのか?
2)ネックが細いことの利点と欠点
3)ネックが太いことの利点と欠点
4)たった数ミリで感覚はそんなに違うのか?
5)おすすめのナット幅は?

・・・ということについてご紹介してゆきたいと思います。

尚、ミニアコースティックギターとアコギの4つ違いでも書かせていただきましたが、アコースティックギターとは、生の音で演奏するギター全般のことで、厳密にいえば、ナイロン弦を張ったクラシックギターもアコースティックギターになります。

ですが、一般的にはアコギというと、スチール弦を張ったフォークギターを指すことが多いので、このページでもアコギ=フォークギターとして話を進めてゆきたいと思います。

1)一般的なナット幅(ネックの太さ)は?

ネックが太いとか細いという風に言いますが、ネックの太さというのは、そのギターのナット幅を確認するとある程度わかります。

ナット幅とはここの幅(↓のイラスト参照)になります。

後ほど簡単にご紹介しますが、実際はナット幅以外にもネックの太さ、少なくとも、太い、細いという感じ方を左右する要素はあるのですが、基本的には、ナット幅を確認すると、大体のネックの太さというものが把握できます。

さて、ナット幅ですが、一般的に、アコギ(=フォークギター)の場合は、42mm~45mmのギターが多いです。

42mm~45mmと幅がありますが(色々な考え方があると思いますが)、基本的には、

といったことが言えると思います。

42mm以下だとネックは細い部類に入り、45mm以上だと太い部類に入ると思いますが、ネックが細い場合と、太い場合、どんな利点や欠点があるのか、次に見てゆきたいと思います。

2)ネックが細いとどうなるの?利点と欠点について

まず、ネックが細いとどうなるのか?ということから見てゆきたいと思います。

ナット幅が42mm以下の場合、ネックは細い部類に入ると思います。

利点は?

この細いネックは「ナローネック」ともいわれることがありますが、細いネックの利点は、ストロークがしやすくなること。

太いネックの場合は、6弦から1弦までの幅が広くなるわけですが、コードを押さえる際も指をより大きく広げなければならず、コードを押さえる時やコードチェンンジの際に、本当に若干ではありますが、時間がかかってしまうことがあります。

その点、細いネックだと、指をそこまで広げずにコードを押さえることができます。

また、6弦から1弦までの距離が短くなることで、ジャ~ンと弦をストロークする際、これも若干ですが、6弦から1弦まで弾く際の時間が短くなります。

そういったこともあって、細いネック、ナローネックのギターはストロークがしやすくなると言えるかも知れません。

欠点は?

欠点ですが、ネックが細くなるということは、それぞれの弦と弦の隙間が狭くなるということで、アルペジオなど、フィンガースタイルで弾く場合は、指が他の弦に当たりやすくなるかも知れません。

また、手が大きい人、指が太い人の中には、細いネックだと(指が他の弦に当たってしまうため)弾きにくいと感じる人もいます。

ここで、簡単にまとめると、細いネック(ナット幅が42mm以下)の場合は、ストロークには向いていますが、アルペジオなど、フィンガースタイルなどには向いていないこともあります。

3)ネックが太いことの利点と欠点

ナット幅が45mm以上だと、ネックは太い部類に入ると思います。

利点は?

ネックが太くなることの利点は、先ほどの細いネックとは逆で、弦と弦の隙間が広くなるため、アルペジオなどフィンガースタイルで弾く場合、間違って他の弦に当たってしまうということが少なくなる点になります。

細いネックの場合は、弦と弦の隙間も狭くなるため、誤って他の弦に触れてしまう・・なんてこともありますが、太いネックの場合は、そういったミスを避けることができます。

また、手が大きい人、指が太いという人の中には広いネックの方が弾きやすいと感じる人もいます。

欠点は?

一方、太いネックの欠点は、ストロークが難しくなる点です。

先ほども書かせていただいた通り、6弦から1弦までの幅が広くなることで、コードが押さえ難くなる・・ということもあります。

また、ストロークする際、6弦から1弦までの幅(距離)があるので、ジャ~ンと弾く際、細いネックよりも6弦から1弦までをジャ~ンと弾く際に、ほんのわずかですが、時間がかかります。

そういうこともあって、広めのネックのギターだと、ストロークする際に違和感を感じる人もいます。

筆者の知人にも、2本目にナット幅が45mmのギターを買った人がいるのですが、太いネックに慣れることができずに、結局はそのギターを手放してしまった人もいます。

ここで簡単にまとめると、太いネック(ナット幅が45mm以上)の場合は、アルペジオなど、フィンガースタイルなどには向いていますが、ストロークには向いていないと感じる人もいます。

4)たった数ミリでも感覚は違うのか?

さて、ナット幅ですが、考えてみれば、たった数ミリ、場合によっては1ミリ、0.5ミリの違いがそんなに違ってくるのか?

・・・ということですが、これが全く違います

筆者は、44mmのアコギ(フォークギター)を使っているのですが、44.5mmのギターも所有していたことがあります。

たった0.5mmの違いなのですが、弾いた感じ、ネックを握ってみた感じは全く違いました。

自分の場合は、アルペジオもストロークもしたかったので、44mmを超えると、やや太すぎると感じたのです。(この辺は個人差があると思います)

ただ、いずれにしても、たった数ミリ、1ミリ、場合によっては0.5mmでも弾いてみた感覚は大きく変わってくることがあると思います

5)おすすめのナット幅は?

最後におすすめのナット幅についてですが、

この辺がもっとも標準的な幅で、どんな弾き方にも対応できるのではないかなと、思います。

それから、一般的には、指が太い、または手が大きい人はナット幅は広めがよく、手が小さい人はナット幅が少し狭い方が弾きやすいと言われることもあります。

ですので、手が大きい人は、43.5mmか44mm(場合によってはそれ以上)のギターをまずはお店で試奏してみるといいかも知れません。

一方、手が小さい人は、43mmか43.5mmのギターを試奏してみてもいいかも知れませんし、場合によってはそれ以下も試してみてもいいかと思います。

ただ、手が大きい人でも狭いネックのギターを好む人もいますし、手が小さくても太いネックを好む人もいます。

また、ネックの太さ、細さというのは、ナット幅以外の何か、例えば、ネックの厚みも関係してくることがあります。

そのため、同じナット幅のギターでも、弾いてみると全然違うと感じることもあります

そういうこともあるので、やはり、数値だけで判断するのではなく、できれば実際に触れてみる、弾いてみることが大事になってくると思います。

ただ、中には、そういうことができない(試奏できない)ようなケースもあるかも知れません。

その場合は、43~44mm程度を1つの目安にしてみるといいかも知れません。