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クラシックギター(ガットギター)とアコギの5つの違いとは?

前回、ミニアコースティックギターとアコギの4つの違い、利点と欠点とは?ではミニギターとアコギの違いについて色々とご紹介しました。

今回は、クラシックギター(ガットギターとも言われます)とアコギの違いについてご紹介してゆきたいと思います。

アコギはアコースティックギターの略ですが、アコースティックギターとは、生の音で演奏するギター全般のことを指します。

そういう意味ではクラシックギターも広い意味ではアコギの一種になります。

ただ、使われ方としては、アコギというと、スチール弦を張ったフォークギターのことを言うことが多いので、このページ内でも、「アコギ=スチール弦を張ったフォークギター」という意味として記事を書いてゆきたいと思います。

では早速見てゆきましょう!

1)弦の違い

上の写真のギターにはナイロン弦が張られてあります。

クラシックギター(ガットギター)とアコギの1つ目の違いは弦になります。

【弦の素材】

クラシックギターは、ナイロン製の弦を張ります。
アコギは、鉄(スチール)製の弦を張ります。

【弦の硬さ】

クラシックギターに張るナイロン弦は柔らかく押さえやすいのが特徴。

一方、アコギに張るスチール弦は硬く、ギターをはじめたばかりの方は、スチール弦に慣れて、指の先が硬くなるまでは、指が痛くなることも。

【音色】

ナイロン弦のクラシックギターは、温かみのある優しい音が特徴になります。

一方、アコギは、スチール弦を張ることで、金属らしいキラキラとした、華やかな音が特徴です。

【音量】

音量はスチール弦を張るアコギの方が大きく、ナイロン弦のクラシックギターの音量はアコギに比べると小さくなる傾向があります。

【弦の巻き付け方】

クラシックギターとアコギでは、弦の巻き付け方、取り付け方が基本的には異なります。

クラシックギターの場合:

アコギの場合:

【チューニングについて】

張ったばかりの弦はチューニングが安定するまでに多少時間がかかることもあります。

ただ、アコギのスチール弦に比べると、クラシックギターのナイロン弦は、チューニングが安定するまでに時間がかかります。(1週間以上かかることも)

そのため、クラシックギターの弦を張り替える時は、チューニングが安定するまでに時間がかかることを予め予測しておく必要があるかも知れません。(例:ライブなどで使いたいような場合など)

また、クラシックギターのナイロン弦は温度変化に敏感で、温度変化がチューニングに影響を与えることもあります。

2)ネックの違い

クラシックギター(ガットギター)とアコギの2つ目の違いはネックです。

【ネックの幅(ナット幅)】

クラシックギターの場合、ナット幅は50~52mm程度が一般的です。

一方、アコギの場合は、43mm~44mm程度のナット幅が一般的です。

アコギのナット幅。ネックが細い、太いとどうなる?

モノによっては10mmも違うものもあり、アコギに慣れている方が、ネックの太いクラシックギターを持つと、最初はかなり違和感を感じてしまうかも知れません。

何故、クラシックギターはそんなにネックが太いのか・・ということですが、クラシックギターに張るナイロン弦は弾いた時に振幅が大きく、そのため、他の弦に当たらないようにネックが広めになっています。

また、クラシックギターでよく使われるアルペジオ※などの場合は、多少ネックが広い方が弾きやすいです。

※アルペジオ・・・分散和音といって、コード(和音)を分解して演奏する奏法のこと

反対にコードを弾くには、一般的なクラシックギターのような幅の広いネックは向いていない場合もあります。

ただし、クラシックギターの中にも、あえて、ネックをアコギのような幅(40mm台)に設計されたものもあります。

【ネックとボディが接続する部分】

ネックとボディが接続する部分(上の写真の赤い丸で囲ってある部分)ですが、クラシックギターの場合は12フレットが一般的。

一方、アコギは14フレットが一般的です。

【ポジションマーク】

アコギの場合はネックと指板にポジションマーク(上の写真で赤い丸で囲ってあるモノ)が付いているのが一般的ですが、クラシックギターには、ポジションマークがなかったり、ポジションマークの数が少なかったりするモノも多いです。

そのため、アコギをいつも弾いている人がクラシックギターを弾く際は、多少違和感を感じたり、最初は慣れないこともあるかも知れません。

3)ボディの違い

クラシックギター(ガットギター)とアコギの3つ目の違いがボディになります。

【ボディの大きさ】

ボディの大きさですが、アコギよりもクラシックギターの方がボディは小さくなる傾向があります。

【ピックガード】

アコギはピックでガンガン弾くことも多く、ボディを守る意味でピックガードが付いていることが多いですが、クラシックギターは指で弾くことが多く、ピックガードがないのが一般的です。

4)品揃え

クラシックギター(ガットギター)とアコギの4つ目の違いは品揃えです。

アコギの方が売れているため(使っている人が多いため)、どうしてもラインアップ(品揃え)という意味ではアコギの方がクラシックギターよりも充実しています。

5)弾き方(ただ、こだわらなくてもいい)

クラシックギター(ガットギター)とアコギの5つ目の違いは弾き方になります。

クラシックギターの場合は、左手の親指で弦を押さえることは殆どなく、アコギの場合は、6弦を左手の親指で押さえることもあります。

これはネックの広さ(の違い)も関係しています。

また、アコギはピック弾きと指弾きの両方がありますが、クラシックギターは指で弾き、ピックはあまり使われないと言われることがあります。

アコギは弾き語りに使われることも多いですが、クラシックギターはソロギターに使われることが多いと言われます。

・・・と一応弾き方の違いはあることはあるのですが、ただ、弾き方に関しては、こだわる必要はありませんし、クラシックギターだから、こう弾かなければならないという決まりはありません。

フォークギターだから、クラシックギターだから・・というのは考えなくても結構です。

好きなように弾いてOK。

筆者自身もクラシックギターを持っていますが、最初はクラシックギターだから、アルペジオでとか、ピックは使わないとか・・色々考えていたのですが、お世話になっている楽器店の店長さんに、

「そういったことは考えなくてもいいですよ。楽器ですから、どのように弾いてもいいんですよ。

クラシックギターだから、クラシック音楽を弾かなければならないわけではないし、クラシックギターでコードをジャカジャカ弾いて、弾き語りをしてもいいんですよ。」

・・・と教えていただいて、「そういうものなのかぁ」と思ったことを思い出します。

クラシックギターをピックで弾くのも何も問題ありませんし、クラシックギターで弾き語りをしても大丈夫です。

ただし、弾き語りの場合ですが、ネックが太い一般的なクラシックギターよりも、アコギの方がネックが細いものが多く、コードが押さえやすいこともあります。

ただ、先ほどもご紹介しましたが、ネックを細めに設計してあるクラシックギターもありますので、そういったものを選ぶという選択肢もあります。

とはいえ、弾き語りに関しては、アコギ(フォークギター)の方がオールラウンドに使えるので(例えば、どんな曲であっても対応できる、など)、もし、弾き語りがメインということであれば、まずは、アコギ(スチール弦を張ったフォークギター)を買って、次のステップとして、または2本目のギターとして、クラシックギターを考えてみるのもいいかも知れません。

クラシックギターの魅力とは?

さて、ここまでクラシックギター(ガットギター)とアコースティックギター(フォークギター)の違いについて色々と見てきました。

クラシックギターの魅力は、恐らく、その人によっても違ってくると思いますが、筆者にとってのクラシックギターの魅力は何といってもその温かい音色かなと、思います。

ギターは、アコギとクラシックギターの両方を持っていて、勿論、どちらにも魅力があります。

アコギのキラキラとした音も好きです。

ただ、クラシックギターの温かな音色はまた違った良さがあって、とても好きです。

お店ではじめて試奏させてもらった時、アコギとはまた違った温かい音色に強く惹かれた記憶があります。

何というか、癒される音なんですよね。
クラシックギターの音色は。

また、アーティストさんの中には、クラシックギターで弾き語り(時にはコードをジャカジャカ鳴らして弾き語り)をする方もいますが、弾き語りにも、曲によっては、クラシックギターはとても合うように思います。

クラシックギター特有の優しい音、温かい音、または、時にちょっと悲しい音が、歌を引き立ててくれることもあるように思います。

また、勿論ですが、ソロギターにも本当によく合いますね、クラシックギターは。

弾けば弾くほど、その魅力に惹かれてゆく。
クラシックギターはそんなギターではないかなと、思います。